2025年、東広島市のふるさと納税で前年比3倍も選ばれた返礼品があります。全国の食通や首都圏の大手バイヤー、さらには衛生管理の専門家までもが熱い視線を注いでいるのが、ブランドジビエ「栄肉」。

豊栄町の1字から名付けられたこのジビエは、口コミでも「臭みがない」「やわらかい」と好評です。しかし、生産者はその評価に満足せず、さらにその先に理想を描いています。今回は、捕獲から加工まで一気通貫でジビエを生産する東広島ジビエセンター株式会社をご紹介します。
“人との繋がり”が鮮度に繋がる
東広島ジビエセンターの代表 和泉川健太郎さんの仕事は、獲物が届く前から始まっています。かつて営業マンとして活躍した経験を活かし、地元の猟友会や農家の方々と密な信頼関係を築いてきました。
「ジビエ事業の最大の難所は、原材料である獲物をコンスタントに確保すること。全国に約700ある処理施設が最も苦労しているのもこの点じゃないかな 。獲物を運んでくれる猟師さんに信頼されなければ、絶対に獲物は回ってこないから」。和泉川さんは東広島市内に9つある猟友会のメンバーとひざを突き合わせ、信頼を積み重ねてきました。これにより、罠にかかった直後の、鮮度の良い個体を仕入れることができるのです。
このインタビューの最中にも、農家の方から獲物の引き取り依頼が。正月でも休みでも、連絡があれば引き取りに向かう和泉川さんの誠意が、地域に受け入れられる秘訣かもしれません。

医学的知見が生んだ、1分間の「命の儀式」
自身も狩猟免許を持ち、猟師として捕獲も行う和泉川さん。その処理技術は、科学的で精緻です。特に、息の根を止める「止め刺し」には、並々ならぬこだわりがあります。通常、槍などの長い道具を使って距離を置くことが多いこの工程で、和泉川さんは至近距離で短いナイフ一本を手にします。狙うのは心臓ではなく、首の動脈。「牛や豚の屠畜と同じで、心臓を止めずに動脈を切る。心臓のポンプが動いているうちに血を抜き切ることで、肉が美味しくなる」。この技術は、医師から解剖学的な知見を学び、実践の中で研ぎ澄ましてきたものです。手の産毛が剃れるほど鋭く研いだナイフで、迷いなく一気に処理を終える。その時間はわずか1分。命の危機に暴れる動物とのやり取りにおけるこの一瞬の判断が、しっかり血抜きされたくさみのない肉を生み出す一因となるのです。

常識を覆す「菌不検出」の衛生管理
ジビエセンターを訪れた専門家たちは、一様に驚愕するそうです。そこには、国の基準をはるかに超える“清潔さ”があるからです。これを実現したのは、和泉川さんが独自に開発した洗浄工程です。水量や水圧を緻密に調整し、皮付きのまま徹底的に洗い上げます。その結果、冷蔵庫内の空気中の浮遊菌すらほとんど検出されないレベルの衛生環境を実現しました。「匂いがあるということは菌がいるということ。菌がいなければ匂いは出ないよ」。東広島ジビエセンターの衛生管理は、研究機関が注目し調査に来るほど、良い意味で常識外れです。


全国の有名店からバイヤーが訪れ、同業他社からも視察されるほど大注目の東広島ジビエセンター。代表の和泉川さんにお話を伺いました。
――なぜここまで品質にこだわるようになったのでしょうか?
ジビエって世間的にはまだ「臭い」とか「硬い」とか、ネガティブな評価が先行している。でも、それは処理の仕方によるものなんです。ふるさと納税の口コミにも「臭みがない」「やわらかい」と書いてくださっていますが、牛肉や豚肉ではそのような感想は見ない。ジビエでもまっすぐに「美味しい」という感想が出てくること。これが理想です。ジビエは美味しいんだということが常識になれば、有害鳥獣として捕獲されるけれど、そのまま廃棄される動物も減っていくと思います。そういう獣たちの有効活用として美容製品も販売しているし、今後はペットフードも作りたいですね。
――「血を抜く」ために心臓を止めない、というお話には驚きました。
一般的には槍を使ったり、心臓を一突きしたりするんです。でもそれだと血が回りきってしまう。僕はナイフ一本で動脈だけを切ります。そのためにはナイフがカミソリみたいに切れないといけない。医師が使うメスと同じくらいの研ぎを自分で入れています。その後、洗浄したら皮付きのまま3日から1週間、肉が凍らないぎりぎりの温度で死後硬直がとれるまで保管します。皮付きだから水分が飛びすぎず、ドリップの出ない、しっとりしたお肉になるんです。



――その技術、同業者にもどんどん教えているそうですね。
ええ、全部教えますよ。隠すつもりなんてさらさらない。だって、どこで食べてもジビエが美味しくならないと、文化として定着しないから。ジビエ業界全体が盛り上がれば、自ずと東広島のジビエももっと注目される。みんなが「冬になったらジビエを頼もうか」って、牡蠣やミカンを頼むのと同じ感覚で手に取ってほしいんです。
――人気の商品を教えてください!
ふるさと納税でも「しゃぶしゃぶ肉」や「ブロック肉」は人気ですけど、特に自信があるのはソーセージですね。保存や味付けのために塩分を強くしているソーセージが多い中、うちは国の基準ギリギリまで塩を減らした「低塩仕立て」。ジビエにも詳しい静岡県のメーカーさんに頼んで、肉の味だけで勝負している。肉が良いから、余計なものはいらないんです。



――おすすめの食べ方は?
薄切りならしゃぶしゃぶや焼くだけでも美味しいけど、塊肉なら料理のレパートリーが広がる。イノシシのチャーシューや、鹿の厚切りステーキ、低温調理もおすすめかな。バーベキューにも人気ですね。


――和泉川さんのジビエを心待ちにしている方へメッセージをお願いします。
まずは一回食べてみてほしい。それだけです。ジビエに対するイメージが180度変わりますから。筋肉や身体づくりに関心の高い人にも特に鹿肉が注目されていますが、食べるならやはり美味しいものの方がいいでしょう。
鹿や猪は、人間が管理して育てたものじゃない、本物の「天然物」。彼らが命を維持するために、東広島の山で何を食べて、どう生きてきたか。そのエネルギーを、最高に美味しい状態でお届けします。東広島の豊かな自然を、ぜひ食卓で感じてください。

\現在YouTube番組「今夜、銀座のバーで」にて、ひろゆきさんと和泉川さんの対談動画が公開中!/
【返礼品情報はこちら】
【会社概要】
会社名:東広島ジビエセンター株式会社
本社:広島県東広島市豊栄町鍛冶屋273-4
主な事業内容:有害鳥獣の捕獲、ジビエの加工・販売など
会社URL:https://the-natural-wild.jp/

【栄肉についての詳細】
栄肉について:https://higashihiroshima-kanko.jp/gourmet/gibier/
栄肉が食べられる飲食店:https://higashihiroshima-kanko.jp/shop/?list_type=shop&gourmet=gibier



